茶柱とは?
茶柱とは、湯飲みや急須に注がれたお茶の中で、茶の茎の一部が縦に浮いていることを指します。またその状態を「茶柱が立つ」と言って、縁起がよいとされてきました。
どうして茶柱が立つと縁起がよいのか?
縁起が良いとされる理由はいくつかあります。
1. 茶柱が立つこと自体が珍しいため、これを「幸運の兆し」とみなす風習があります。
2.「柱が立つ」という表現から、「物事が順調に進む」「家庭や人生の基盤がしっかりする」といったポジティブな意味が込められています。
日常の縁起物としての茶柱
茶柱が立つ縁起は江戸時代から広く一般に普及したと言われています。この時代はまだ庶民に上質な煎茶はなく、茎の多い廉価な番茶を飲んでいました。何気ない日常の中で茶柱を見つけることは、特別な幸福感を与えるものとして親しまれてきたのです。
どうやったら茶柱が立つのか?
茶柱が立つ仕組み:
茶葉に含まれた茎は、乾燥して内部に空気の穴が無数に空いています。茶葉にお湯を注ぎ、そして湯飲みに注ぐと、この空気の穴に水分が浸透し始めます。茎は両端から水分が浸透しますが、両端でそのスピードが異なり、どちらか一方だけが水分を多く吸収して重くなると、お茶の中で立ったようになるのです。
このように、茎が吸収する水分バランスが片寄ったときに、茶柱が立ちます。そのため、茎全体が水分を吸収するにつれて茶柱は沈んでいき、やがて湯飲みの底に倒れます。
茶柱を立てるコツ:
1. 茶葉の中に茎の部分が入っていること(番茶、茎の部分を集めた茎茶など)
2. 茎が通るくらいの穴が開いた急須や、目の粗い茶こしを使うこと
3. 茶碗に茎が入っても、勢いよく注ぐと茶碗の中で泳ぎまわって立たないので、静かに注ぐこと
茶柱にまつわる言い伝え
「七柱立ち」:茶柱が一度に7本立つことは極めて稀で、これを見ると「一生分の幸運が訪れる」とされる言い伝えがあります。
反対に横たわる茶柱:茶柱が横たわる場合もありますが、これについては特に不吉とされることはありません。
茶柱は日常の中で小さな幸せを感じられる素敵な文化です。次にお茶を飲むときは、茶柱が立つかどうか注目してみてはいかがでしょうか?